ロボットの権利能力?!

時代はどんどん進むもので、人工知能の進化は凄まじいものがあって、様々な仕事が人工知能にとって変わられるとも言われていますね。

われわれ弁護士も?!

そんな心配はさておき、弁護士としてふと気になったのがロボットの権利能力です。

権利能力は、契約の主体になるための資格で、人間には生れながらにして権利能力が認められます。基本的に団体での活動でも何か契約する際には個人個人の契約になり、団体が契約の主体になることはないのです。

しかし、会社等の大きな団体で活動することが多い中で、会社が契約の主体になれず、従業員との雇用契約、取引先との売買、請負、委任契約等の契約の主体にもなれず、会社独自の財産を所有することが出来なければ不便なのは言うまでもありません。

そこで、法律上の条件を備えていれば団体にも法律上は人と同じように権利能力を認めて、契約の主体となることができ、財産を所有することもできるわけです。これを法律上の人とする法人といいます。

さて、そこでです!ロボットの場合にはどうなのかと気になるわけです!これをドラえもんで考えてみます。

ドラえもんが自らの意思で、500万円の車を購入して乗り回してブイブイ言わしています。ドラえもんは一括なんて無理で、ローンで払う契約にしました。

しかし、ドラえもんはお小遣いでは毎月数万円も払うことはできません。

さて、ドラえもんに車を売った人は誰にお金を請求することになるでしょうか?

人間ではないドラえもんに権利能力はなく契約の主体にはなれず、法律上契約とは認められないので、法律上はドラえもんに代金の請求はできません。ドラえもんが任意に支払うことを同意して支払えばいいですが、裁判になった場合には認められません。そもそも訴訟能力もないので裁判の当事者にもなれません。。。

では、のび太君に請求するのか?いやいや、いくら一緒に住んで、仲良くしてて、面倒見てくれてても、未来から勝手にやってきたロボットが勝手に買った車の高額な代金を払わされるなんてたまりませんし、法律上ものび太君に責任を負わせるような根拠が何もありません。

ではドラえもんを購入したセワシ君が責任を負うのか?たしかにセワシ君が買って様々な身の回りの世話をさせていて、セワシ君の世話のための契約であれば、セワシ君の意思を代わりに伝えただけで、セワシ君の契約となることも考えられなくはないでしょう。

しかし、ドラえもんほど自由に何かできるほどの能力があると、勝手に様々な契約を結んでしまうこともあり得ます。それなのに購入した人に全ての責任がいくのは酷な気がします。

やはりドラえもんには自分で自分の責任をとって仕事をしてお金を稼いで車の代金を支払ってもらうべきなので、ドラえもんにも権利能力を与えなければなりません。そこで、ドラえもんにも権利能力を与えるために法律上は人とするため法人格を与えることが必要となります。そうするとドラえもんも登記する必要が出てきますね。司法書士さんの仕事が増えるのかな?笑

これから人工知能の進化がますます進んで、様々な仕事に就いた場合、どんな仕事をするにせよ、事務用品を買ったり、仕事場を借りたり、仕入れをしたり、販売したり、様々な契約を繰り返すことになります。

人工知能が人間を超える能力で判断し、仕事を進めていくための様々な契約を結ぶためには、人工知能自体が契約を結び、その責任を負うのでなければ、どのような契約を結ぶのか人工知能に判断を任せて仕事なんて怖くてできませんし、そこの重要な判断を人間が自分でするのであればそもそも何のための人工知能なのか分かりません。

そうなるとやはり人工知能にも法人として権利能力を与える必要が出てくるのかなと思いました。

決まったことだけをする狭い範囲でのみ能力を発揮する人工知能であればこのような議論は必要ないでしょうが、将来的に人工知能がもっと広い範囲で総合的に物事を判断するようになれば、人工知能の権利能力、法人格について議論する必要が出てくるのでしょうね。